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妙音寺遺跡の逆茂木については、郡山埋文ニュース第101号(平成7年10月1日)に工藤健吾さんが、解説文を載せています。
その文を、そのまま紹介します。
奇跡の「木」  妙音寺遺跡Vol.5
                            工 藤 健 吾
 昨年度から行われている妙音寺遺跡の調査ですが、今回は落し穴状土坑で大きな発見があったので皆様に報告いたします。
 落し穴状土坑は市内でもかなりの数が調査されています。今までにも何度かこの埋文ニュースで触れていますので、興味のある方は御一読下さい(第90 ・ 97号他)。
 さて、このよく見つかる落し穴状土坑ですが、今回妙音寺遺跡で見つかったものはいつもの落し穴ではありませんでした。なんと数千年前の木の杭が残っていたのです。そんなに珍しいものなのか?と思う人もいるかも知れません。 しかし、土器などと違って腐りやすい木の杭が残っているのは非常に珍しいことなのです。
 我々はこの杭を「逆茂木」と呼んでいます。この逆茂木はどのように用いられたものでしょうか。
 落し穴の底に杭があったと聞くと、先が尖った杭に動物が刺さっているところを想像されるかも知れません。 しかし、今回妙音寺遺跡で見つかった逆茂木は斜めに立っていたもので、獲物が落ちても刺さらなかったと考えられます。逆茂木は落ちた獲物を殺すものではなく、足をからめたりして動きを封じるものだったようです。
 普通本の杭などは長い年月の間に土に帰り、多くの条件が揃わないと残りません。今回は奇跡的にその条件が揃い、我々の前にその姿を現しました。このように数千年の時を越えて残っていた本の杭が、我々に当時の人々の生活を敦えてくれます。それはもはや単なる木ではなく、大事な宝物なのです。    

落とし穴状土坑使用想像図