伝説 あばれ地蔵
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 むかし、近くを流れる阿武隈川が、洪水になったときのことです。川上から、数多くの木が流れてきました。
 一人の農夫が、その流れ着いた丸太ん棒を家へ持ち帰り、薪割りの台に使っていました。あるとき、どういうわけか、この台に使っていた丸太ん棒が、神棚に上がっていました。不思議に思い、丸太ん棒をよく見ると、かすかながら目と鼻が、刻まれていたようでした。そこで、笹川村の庄屋さまに見てもらったところ、地蔵様に間違いないと言います。
 さっそく、庄屋さまと村のお寺に、納めることにしました。すると不思議なことに、そのとき笹川村ではやっていた病気がおさまりました。いままで悪いことが続いていた村に、良いことが続くようになりました。村人はたいへん喜びました。
 それから村では、お地蔵様が信仰の対象となり、人々の家内安全を祈りました。いつの頃からか、年に一度、このお地蔵様を村中に引き回すようになりました。
 あばれ地蔵の名は、そのときのお地蔵様が、子どもと一緒にあばれるのを、喜んでいるようなので、村人たちが親しみを込めて、そう呼ぶようになりました。
 かつては、村の青年団のお祭りでした。お地蔵様は、1体だけでしたので、村人たちは朝の3時、4時まで明かりをつけて、お地蔵様が来るのを、待っていました。
 今も、あばれ地蔵の祭礼は、11月2日の夕方からはじまります。地域の子どもたちが、大勢寺に集まってきます。地蔵堂において、地蔵様に新しい縄が結ばれ、住職がお払いをして、頭からお神酒をかけられたあと、6体のお地蔵様は、それぞれに分かれて、子どもたちによって「ワッショイ ワッショイ」の掛け声とともに、地域の一軒一軒を順々に回ります。そして、それぞれの家の戸口のところで、「ワッショイ ワッショイ ワッショウ」と、お地蔵様を3回地面に落とします。
 各家庭では、それにあわせて、子どもたちの、健やかな成長と家内安全を、毎年、願っているのです。